1980年の洋楽 名曲50選!
1980年の洋楽 名曲50選!
各1年間で、象徴的な名曲の中から50曲を選出し、紹介していく大企画です。
ジャンルはポップ、ロック、R&B、ヒップホップ、カントリー、レゲエ、ラテン等、
幅広く取り上げていきます。今回は1980年にフォーカス!
それでは、タイムスリップ!
1980年と言えば、70年代後半から続くディスコブームの熱が続いていました。
日本でも、六本木を中心とした東京の繁華街で、続々とディスコ・クラブがオープン。
日が暮れると、仕事疲れの会社員や、新しいものに憧れを抱く若者たちが集結し、
ミラーボールのカラフルな光が、場内をキラキラと照りつける中、
当時のダンス・ミュージックに合わせて、踊り明かしたのです。
ディスコの魅力は、別にダンスが下手でもいい。
ノリにのって自由に踊ろう!といった気軽な空気感がありました。
とにかく老若男女問わず、誰もが楽しめたのです。
というわけで、まずは「踊れる洋楽」にフォーカスしていきます。
Blondie ''Call Me''
1980年を象徴する名曲と言えば、まずこの曲。
全米で6週連続1位を記録し、1980年度の全米年間チャートでも1位を記録した大ヒット曲です。
実は、この曲は映画の主題歌でした。
その映画が、1980年に公開された「アメリカン・ジゴロ」。
主演はリチャード・ギアが務めました。
作詞作曲をしたのは、ディスコ音楽界の巨匠とも称される、
イタリア出身のプロデューサー、ジョルジオ・モロダーでした。
ロックなサウンドですが、軽快なビートで踊りたくなる名曲ですよね。
ブロンディは1970年代にニューヨークで結成されたバンド。
セクシーなルックスとブロンドヘアが特徴的な女性、デボラ・ハリーによるハスキーな歌声、
パンク・ロックとディスコ・サウンドが融合したポップなサウンドで注目を集めました。
Queen ''Another One Bites the Dust''
今や説明不要な伝説のロック・バンド、クイーンの名曲です。
全米で3週連続1位を記録しました。邦題は「地獄にへ道づれ」。
ベースの音があまりにも印象的なこの曲を作曲したのはベーシストのジョン・ディーコン。
バンドの中でも控えめな立場のジョンはこのベースラインを恥ずかしく思い、
当初は封印しようと考えていたそうで、いざ曲が完成すると、
ディスコ色のあまりの強さに、他のメンバーも抵抗していました。
ということで、最初はコンサートで控えめに披露するのみの楽曲でした。
ところが、この曲に目を付けたのが、当時メンバーと交流のあったマイケル・ジャクソンでした。
「すぐに録音してシングルでリリースした方がいい。絶対に1位を取れるから!」とメンバーにアドバイス。
本当にその通りになりましたね。
というか、それ以上にポピュラー音楽を象徴する名曲にもなりました。
Paul Mccartney ''Coming Up''
お次はポール・マッカートニー。
全米で3週連続1位を記録した大ヒット曲です。
この曲もディスコ調のノリノリ・ナンバーです。
ミュージック・ビデオでは分身したポールが変装してあらゆる楽器を演奏していますが、
この曲、実際にポールが全ての楽器を演奏しています。
ただ、管楽器のサウンドはキーボードによるものです。
ビデオに登場する女性はポールの当時の妻・リンダ・マッカートニーです。
生前のジョン・レノンはこの曲を大絶賛していたとされています。
Lipps Inc ''Funkytown''
1980年を象徴するディスコ・ヒット曲と言えば、これ。
全米で4週連続1位を記録し、全28カ国のチャートで1位を記録する世界的大ヒットになりました。
今聴くと、レトロで一風変わったサウンドですが、かえって新鮮に聞こえますし、中毒性があります。
2004年のアニメ映画「シュレック2」の他、日本でも多くのCMやテレビ番組のBGMに使用されています。
Olivia Newton John ''Xanadu''
オーストラリア出身の世界的歌姫、オリビア・ニュートン=ジョンです。
2022年8月に長年に渡る乳癌の闘病の末、天国へと旅立ちました。とても悲しい訃報でした。
当時、音楽だけではなく映画でも成功を掴んでいたオリビアは、ミュージカル映画にも挑戦しました。
この曲は、ミュージカル界の巨匠、ジーン・ケリーとのダブル主演による1980年の映画「ザナドゥ」からの名曲です。
演奏は、エレクトリック・ライト・オーケストラ(通称・ELO)が務めています。
1970年から活動してきたELOは、当時、ディスコとロックを融合させた近未来なサウンドで大きな成功を収めていました。
作詞・作曲・プロデュースも、ELOのリーダー、ジェフ・リンが務めています。
煌びやかでゴージャスなサウンドがたまらなく美しいです。
Olivia Newton=John ''Magic''
お次もオリビア・ニュートン=ジョンです。
この曲も、オリビアが主演を務めた映画「ザナドゥ」の為に制作されました。
全米で4週連続1位を記録し、1980年の年間チャートでも3位を記録しました。
「あなたの夢は全て私が叶えてあげる」という歌詞の曲ですが、
哀愁を帯びたメロディに、どこかマジカルな雰囲気が癖になる名曲です。
オリビアは、翌年に、爆発的なヒット曲「フィジカル」で衝撃的なイメチェンを果たすことになりますが、
この曲もかなり色気を感じます。
Diana Ross ''I'm Coming Out''
今度は、80歳を迎える現在も活躍中のダイアナ・ロスを紹介。
1959年に音楽活動を開始、60年代にはザ・シュープリームスのリード・ヴォーカルで大成功を収め、
70年代にはソロ歌手と女優の二本柱で大成功、と華々しく活躍してきました。
そして、80年代を迎えるに辺り、今度はディスコ界に進出しました。
この曲の作詞作曲・プロデュースを務めた1人がファンク・バンド、シックのギタリストで、
80年代に大物プロデューサーとしても活躍したナイル・ロジャースでした。
演奏もシックのメンバーが担当しています。
「カミングアウトするわ。みんなに知ってもらいたいし、見せなくちゃ。」
「殻を破るときが来たわ。これが自分だという事を叫ばなければ。」
という歌詞ですが、実は同性愛であることを告白する人たちを励ます曲なのです。
現在では、LGBTQを讃える賛歌の一つとしても取り上げられています。
1997年には、伝説のラッパー、ノトーリアス・B.I.Gの「Mo Money Mo Problems」でこの曲がサンプリングされ、
全米1位の大ヒットを記録しています。
Kool & The Gang ''Celebration''
50年以上の歴史を誇るファンク・バンド、クール&ザ・ギャングの大ヒット曲。
こちらは2週連続1位を記録しています。
これぞ間違いなくディスコの定番ですし、
アメリカではパーティーや式典等で頻繁に使用される名曲です。
とにかくお祝いムード満載で、幸せ一杯のポジティブ・ナンバーです。
George Benson ''Give Me The Night''
ジャズ/フュージョン界を代表する超絶ギタリスト、ジョージ・ベンソン。
80年代には、ポップ・ミュージック界にも進出しました。
この曲は、全米4位を記録したヒット・ナンバーです。
プロデュースはマイケル・ジャクソンを手掛けた巨匠、クインシー・ジョーンズ。
作詞作曲はマイケル・ジャクソンの名曲を数多く手がけたソングライター、ロッド・テンパートン。
このコンビであれば、もう間違いありません。
ギターソロとその同じメロディを同時に歌うスキャット奏法が持ち味のジョージ・ベンソンですが、
この曲でも惜しみなく披露しています。そして、歌もすごく上手いです。
The Brother Johnson ''Stomp!''
ジョージ&ルイス・ジョンソンによる兄弟デュオが放ったヒット曲で、全米7位を記録。
この曲もクインシー・ジョーンズ&ロッド・テンパートンのコンビが手掛けています。
何といっても、この曲のハイライトは、ルイス・ジョンソンが弾く中間のベース・ソロでしょう。
親指を弦に叩きつけ、人差し指や中指で弦を引っ張って音を出す「スラップ奏法」が駆使されています。
今やベースの定番奏法として知られていますが、当時としてはもの珍しかったのです。
そんなスラップ奏法を確立したルイス・ジョンソンですが、
マイケル・ジャクソンの名盤「Off The Wall」や「Thriller」にも参加し、名演を残しています。
Irene Cara ''Fame''
アイリーン・キャラと言えば、1983年の「フラッシュダンス」を真っ先に思い出す方が多いと思いますが、
3年前の1980年には、全米4位を記録したこんなヒット曲を飛ばしています。
アイリーン自身が主演を務めた映画「フェーム」の主題歌です。
「フラッシュダンス」と同じように、この映画もスターを目指す若者の奮闘を描いた青春映画です。
1981年には、アカデミー賞で歌曲賞を受賞しました。
Stephanie Mills ''Never Knew Love Like This Before''
70年代に上演されたミュージカル「ザ・ウィズ」で主人公ドロシー役を演じた、
ステファニー・ミルズの最大のヒット曲。
全米6位、全英4位を記録し、グラミー賞も受賞しています。
メロディが切なくて、ドラマティックなディスコ名曲です。
ABBA ''The Winner Takes It All''
そして、ディスコ界の頂点を極めた2組の夫婦による4人組が、スウェーデン出身のABBA。
世界で億単位の売上枚数を誇る伝説のグループですが、
2021年に約40年振りに再結成を果たした事も話題ですよね。
そんなABBAが1980年に発表し、全米8位&全英1位を記録したヒット曲が、こちら。
疾走感のあるテンポにドラマティックなメロディが印象的なバラード。
「勝者は全てを掴む。敗者は勝利の影で小さく佇む。それが彼女の運命。」と歌われます。
ミュージック・ビデオでは、他の3人と距離を置いて笑顔を見せないアグネッタが怖いです…。
当時は、アグネッタ&ビョルンが離婚した直後の頃。この頃から、雲行きが怪しくなってきました。