1980年の洋楽 名曲50選!
さあ、激しいロックに合わせて、盛り上がっていますでしょうか。
まだまだロックの名曲が続きます。
当時は、まだパンク・ロックの人気が続いていた頃ですが、
70年代が終わりを迎え、80年代を迎えるに辺り、
何か斬新なサウンドをDIY精神で自由に作ってみようというバンドが続々と登場。
このムーヴメントやサウンドは「ニュー・ウェイヴ」や「ポスト・パンク」と呼ばれています。
例えば、シンセサイザーを使用して電子音楽とロックを合体させてみたり、
ロックとは無関係なはずだった音楽ジャンルをロックと融合させてみたり…。
様々な試みが行われました。この当時のロックは本当に野心的です。
その他にも、多種多様にロックの名曲を選んでみました。
それでは、どうぞ。
U2 ''I Will Follow''
アイルランド出身の超大物ロックバンド、U2がデビューしたのは、この年でした。
今や普遍的に「ロック・バンド」と呼ばれている彼らも、初期の頃は「ポスト・パンク」に属されていました。
この曲は、ボノ(ヴォーカル)が14歳の時に死去した母親に捧げた曲です。
大人になろうと奔走する少年の脆弱な感情が描かれていて、かなり繊細な歌詞です。
ジ・エッジが弾くパワフルなギター・リフや、ボノの弾く鉄琴の音色も印象的です。
The Jam ''Going Underground''
1977年~1982年という短期間の活動ながら、未だ根強い支持を持つイギリスのバンド、ザ・ジャムです。
ヴォーカル、ギターのポール・ウェラーはイギリスを代表するロックスターの1人ですよね。
音楽性は確かにパンク・ロックですが、マッシュルームカットにスーツという、
昔のビートルズを思わせる上品なファッションで、サウンドもどこかクールでセンス抜群。
パンク由来の「ワイルド」なイメージはなく、かなりスタイリッシュでお洒落なバンドでした。
この曲で遂に全英1位を記録。ザ・ジャムの代表曲の1つです。
The Police ''De Do Do Do, De Da Da Da''
再び、ザ・ポリスの登場。全米10位、全英5位のヒット曲です。
実に変わった曲名ですが、この曲はミュージシャン特に作詞家ならではの言葉の悩みについて。
歌詞には「例え、僕が話術が上手くてその場を切り抜けられたとしても
その論理は自分を縛りつけて破壊してしまう」とあります。
偉大な作詞家でもあるスティングにも、そういう不安があったのですね。
実はこの曲の日本語ver.が存在し、勿論スティングが歌っています。是非チェックしてみて下さい。
Devo ''Whip It''
メンバー全員が赤色のプラスチック製の帽子を被っている個性派パンク・ロックバンド、ディーヴォを紹介。
シンセサイザーを全面的に使用していて、YMOのようなテクノ感を感じる音楽性です。
「人間は進化ではなく退化へと向かっている」という信念を抱いており、
シュールで皮肉が効いてて、一筋縄ではいかない歌詞も特徴的です。
このように、商業性とは縁が無さそうに見えますが、この曲は全米14位を記録するヒットとなりました。
ミュージック・ビデオ含めて、異端でセクシャルで前衛的で…。なかなか強烈です。
Talking Heads ’’Once in a Lifetime’’
ニューヨーク出身のポスト・パンク・バンド、トーキング・ヘッズです。
ロックにアフリカ音楽を導入した独創的な音楽性を築きました。
アフリカ音楽はポリリズムと呼ばれる複雑な構造のリズムが特徴で、
楽器それぞれが異なる拍子で同時に演奏され、混沌としたサウンドになっています。
プロデューサーは、デヴィッド・ボウイやU2を手掛けたブライアン・イーノ。
キング・クリムゾンのギタリスト、エイドリアン・ブリューが参加し、
意外にも有名歌手、ロバート・パーマーがパーカッションで参加しています。
ミュージック・ビデオのデヴィッド・バーン(ヴォーカル)の奇妙なダンスも印象に残ります。
The Cure ''A Forest''
イギリスを代表するニュー・ウェイヴ・バンド、ザ・キュアーです。
気怠く憂鬱な音楽性を持つバンドで、欧米では高い人気を誇ります。
この曲では、暗い影を感じつつ、森のように神秘的なサウンドを展開しています。
商業性とは程遠い楽曲ながら、全英31位を記録しています。
ライヴでは、必ずと言っていいほど披露される、バンドの人気曲です。
Joy Division ''Love Will Tear Us Apart''
マンチェスター出身の伝説のポストパンク・バンド、ジョイ・ディヴィジョンです。
ヴォーカル、イアン・カーティスによる内省的な歌詞、ダークで静かな歌声を特徴とします。
「愛がもう一度僕達を引き裂いていく」というタイトルのこの曲では、
当時の妻との壊れた関係、持病だった「てんかん」との闘いという、
イアンが抱えていた苦しみが描かれています。
イアン・カーティスは1980年5月18日、首を吊って自殺。
23歳という若さで帰らぬ人となりました。
この曲が発表されたのは、イアンが亡くなって1か月後のことでした。
バンドは解散し、残されたメンバーは「ニュー・オーダー」を結成し、大きな成功を収めます。
この曲は、イギリスを象徴する名曲の1つとして国民の間では有名な曲です。
Bruce Springsteen ''Hungry Heart''
同じロックでも、趣向を変えていきましょう。
アメリカを象徴する永遠のロック大将、ブルース・スプリングスティーンです。
元々はブルースが、NY出身のパンクロック・バンド、ラモーンズに向けて書いた曲でしたが、
自分が歌うことになり、全米5位を記録するヒット曲となりました。
歌詞は、女房と別れ、子供を置いて家出した男が、新しい女の子と恋に落ちるも失敗するという内容。
「みんな誰もが飢えた心を持っているんだ。みんな誰もが休める場所が必要だし、家族も欲しい。
一人ぼっちにはなりたくないんだよ。」
こんな風にブルースが熱唱したら、みんな心を鷲掴みにされて当然ですよね。
Tom Petty & The Heartbreakers ''Refugee''
2017年に死去した、こちらもアメリカを象徴するロック歌手、トム・ペティです。
「自由になるためにはみんな戦わないといけない。お前は逃亡者みたいに生きなくたっていい。」
こんな風に熱唱されたら、みんな心を鷲掴みにされて当然なのです。
この曲のレコーディングで、なかなか満足いくような出来になれず、100回も録り直したという逸話が残っています。
しかし、結果的には全米15位のヒットを記録しています。
Bob Segar & The Silver Bullet Band ''Against the Wind''
アルバムの総売上枚数が7500万枚を超える大物ロック・シンガー、ボブ・シーガーの名曲。
大昔、恋していた女性の事を思い出しながら、老人になった今、
行くべき道を間違えてしまい、金も使い果たしてしまい、孤立してしまった自分に気づく。
それでも、何かを探し求めて、若く強く向かい風を走っていく…。
切ないけれど、温かい歌詞に歌声、本当にしびれます。
全米5位を記録し、この曲が収録されたアルバムは6週連続で1位を記録しています。
Billy Joel ''It's Still Rock and Roll to Me''
続いては、70年代~80年代に絶大な人気を獲得したビリー・ジョエルです。
70年代は「ピアノ・マン」という愛称通り、洗練されたサウンドを基調としていましたが、
80年代に突入すると、音楽性やスタイルが様々な形で変化していきます。
例えば、この曲ではピアノから離れて、R&Rに挑戦しました。
「今流行りのニュー・ウェイヴでもファンクでもダンスでもなく、R&Rが最高なんだよ」と歌っています。
今まで自分が紹介してきた音楽を却下されたような感じがしてきましたが(笑)、やっぱR&Rですよね。
従来のスタイルから変化した曲でしたが、見事2週連続全米1位を記録しています。
John Lennon ''(Just Like) Starting Over''
1975年に妻オノ・ヨーコとの間に誕生した息子・ショーンの子育てに没頭し、
音楽活動を休止していたジョン・レノンが、5年振りに音楽活動を再開したのも、この年。
10月にこの曲を発表し、11月にはアルバム「ダブル・ファンタジー」を発表しました。
「最初からやり直してみよう」というタイトルのこの曲は、
愛するヨーコに向けて、再び冒険に出てみよう、これからも常にかけがえのない人生を歩もう、
という新たな始まりの決意表明と考えられる曲です。
それなのに、この直後、あんな衝撃的な事件が起きてしまうなんて…。
ジョンの死後、全米で5週連続1位、全英でも1位を記録し、
アルバム「ダブル・ファンタジー」はグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞しました。
日本では多くのテレビ番組やCM等で使用された他、
1997年のドラマ「いちばん大切な人」の主題歌に使用されました。