1980年の洋楽 名曲50選!
続いては、カントリーやポップの名曲を紹介します。
この年、こんなヒット曲がありました。
早速、紹介していきます。
Dolly Parton ''9 to 5''
1950年代から活動し、総売上枚数は1億枚を超える、カントリー界の大御所、ドリー・パートンです。
ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」を作詞・作曲したのは、この方です。
この曲はジェーン・フォンダ主演、ドリー自身も出演した大ヒット映画「9時から5時まで」の主題歌で、
2週連続で全米1位を記録し、グラミー賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされました。
作詞作曲もドリー自身。ドリーは歌と同時に「長い付け爪でタイプライターを打つ音」も担当しています。
Sheena Easton ''9 to 5 (Morning Train)''
前の曲とは同名ですが、全く異なる曲です。
シーナ・イーストンは、80年代に最も成功したイギリス人女性歌手の1人です。
この曲は彼女が世界的なブレイクを果たすきっかけとなった曲で、彼女の代表曲でもあります。
全英3位を記録、翌1981年にはアメリカでも発売され、2週連続で1位を記録しています。
毎朝電車に乗っていく旦那さんが仕事から帰ってくるのを家で待っている奥さんが描かれています。
日本でも人気が高く、テレビCMでもよく使用されている曲なので、耳にしたことがある方は多いと思います。
Leo Sayer ''More Than I Can Say''
この曲はカバー曲です。オリジナルは、1960年に発表されたザ・クリケッツによるもの。
ザ・ビートルズやボビー・ヴィーもカバーしていますが、この曲で最も知られているのがこちらです。
全米では5週間2位を記録し、全英でも2位を記録しています。
続いては、この時代を象徴する音楽ジャンル、AORの名曲を紹介します。
AOR(通称・アダルト・オリエンテッド・ロック)は、ジャズ、R&B、ソウル、ボサノバ等の洗練された音楽を、
ポップやロックに融合させた、都会的でオシャレで爽やかなサウンドが特徴的です。
AORは日本独自の呼び方で、欧米では、「ソフト・ロック」「ヨット・ロック」と呼ばれることが多いです。
都会やリゾート、ビーチなどで相性が良いので、ドライブに最適な音楽とも言えます。
では、AORの世界に浸ってみましょう。
Robbie Dupree ''Steal Away''
全米6位を記録した、ロビー・デュプリーのヒット曲。
夏の時期に聴きたい爽やかな名曲の1つですが、この曲がヒットしたのも1980年の夏の時期でした。
リズムとかキーボードのフレーズとかドゥービー・ブラザーズの「What a Fool Believes」に似ていますが、
本人も意識しているのは違いないと思います。それでも、良曲に仕上がっています。
Ambrosia ''Biggest Part of Me''
アメリカ出身のバンド、アンブロージアによる、全米3位を記録したヒット曲です。
重厚なコーラスワーク、爽やかなメロディ、都会的なキーボード・サウンド、
そしてゲスト参加した名手、アーニー・ワッツによるサックス・ソロ。
AORの醍醐味が詰まった名曲です。
Christopher Cross ''Ride Like the Wind''
そして、AOR/ソフト・ロック界でデビューして直後、
すぐに大きな支持を集めていたのが、テキサス出身のクリストファー・クロスです。
透明感のある優しいハイトーン・ボイスが魅力的です。
しかし、デビュー当時は、コンサートを開かず、素顔も明かしていない、謎の歌手として知られていました。
全米で4週連続2位を記録したこの曲での歌詞では、
10人の命を銃で奪い、絞首刑を宣告され、メキシコを目指して風のように逃走する無法者を描いています。
バック・ヴォーカルにドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドがゲスト参加。
ギター・ソロはクリストファー自身が弾いています。
Christopher Cross ''Sailing
続いてもクリストファー・クロスの名曲です。この曲で遂に全米1位を記録しました。
少年時代のクリストファーにとって最高の楽しみだったのが、長年の親友とのヨットでの航海でした。
そんな過去の楽しい記憶に思いを馳せた歌詞が印象的です。
これぞ、まさに「ヨット・ロック」ですね!
白い砂浜にエメラルドブルーの海…。西海岸の海を思い浮かべてしまう極上の1曲です。
そして、クリストファー・クロスは、1981年度のグラミー賞でとんでもない記録を打ち立てました。
最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の4大主要部門を全て受賞したのです!
これは、2020年度にビリー・アイリッシュが達成するまで、クリストファーが唯一達成したアーティストでした。
この曲では、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞しています。
ここまで成功するとなると、素顔を明かさずにはいられないわけです。
Eagles ''I Can't Tell You Why''
続いては、総売上枚数は2億枚以上、70年代を代表する大物バンド、イーグルスです。
従来のカントリー・ロックから、都会的で洗練されたサウンドへと変化を遂げていた時期の作品です。
リード・ヴォーカルは、当時ベーシストとして加入したばかりのティモシー・B・シュミットが担当。
甘く切ないメロディが印象的で、R&B色の強い、しっとり系バラードです。全米8位を記録。
当時のイーグルスは、70年代に掴んだ巨大な成功から、大きなプレッシャーを抱え、バンド内の空気は険悪な状態でした。
この曲が収録されたアルバム「ロング・ラン」も完成に向けて難航し、製作期間に1年半も費やしていたのです。
それでもアルバムは全米1位を記録し、日本のオリコンチャートでも1位を記録しました。
しかし、イーグルスは1980年に活動終了、1982年に正式に解散。1994年に再結成されるまで、メンバーはソロ活動に入ります。
Air Supply ''All Out of Love''
オーストラリア出身のエア・サプライもAORを代表する存在。80年代前半に大ヒット曲を連発しました。
全米2位に輝いたこの曲では、別れてしまった彼女の事をずっと想い続ける、失恋ソングの定番として有名な曲です。
ラッセル・ヒッチコックの爽やかなハイトーン・ボイスが美しく、最高にロマンティックなバラードです。
圧巻なのは、最後のロングトーン。途中で息をせずに長く歌い続けて16秒…。当時、歴代最長記録だったみたいです。
REO Speedwagon ''Keep On Loving You''
ソフト・ロックの代表格として、よく取り上げられるバンドがアメリカ出身のREOスピードワゴン。
彼らのデビューは1971年で、それまでは成功とは一切無縁の地道なロック・バンドでした。
しかし、70年代後半に音楽性をソフトでポップな方向性へと転向すると、徐々に注目を集めていきます。
そして、世界的な人気を獲得したきっかけとなったのが、全米1位を記録したこのバラードでした。
この曲が収録された1980年のアルバム「Hi Infidelity」は全米で15週間1位を記録。
1981年度の全米年間アルバムチャートでも1位を記録し、
アメリカだけで1000万枚以上を売り上げる大ヒットアルバムとなりました。
皆さん、お気づきのように、選曲が既にバラードへと傾いています。
ここからは、スローテンポで静かなバラードを4曲紹介します。
スローテンポなバラード、実はディスコでも定番なのです。
パートナー同士で、頬を寄せ合って踊り交わすチークタイムが、お約束でした。
失恋の曲も含まれていますが、それでは、紹介していきます。
Micheal Jackson ''She's Out of My Life''
キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンの名バラードですね。
名盤「オフ・ザ・ウォール」に収録されており、全米10位を記録しています。
作詞・作曲はトム・バーラー。彼が体験した失恋の壮絶な痛みがテーマとなっています。
プロデューサーのクインシー・ジョーンズは超大御所、フランク・シナトラにこの曲を提供する予定でした。
しかし、まだ20歳のマイケルに大人な曲を歌わせた方が面白いと考え、マイケルに託しました。
曲の世界に入り込んだマイケルは、何回録り直しても最後の方で泣き出してしまい、
クインシーは涙声のヴァージョンのまま、アルバムに採用することになったという逸話が残っています。
聴いていて、グッとくるものがありますよね。迫真の歌声だと思います。
Kenny Rogers ''Lady''
カントリー界の重鎮、2020年に死去したケニー・ロジャースの代表曲です。
6週連続で全米1位、1981年度の年間チャートでも3位を記録した大ヒット曲です。
作詞・作曲は80年代を代表する人気歌手で、当時はコモドアーズに在籍していたライオネル・リッチー。
愛する女性に向けて、胸いっぱいの愛を伝えるこのナンバーは、
アメリカでは、結婚式の定番曲として知られています。チークタイムにも最適。
ケニー・ロジャースは、80年代以降、バラードを中心にヒット曲を連発していきます。
映像は、この曲を発表したばかりの頃の貴重なライヴ映像です。
Barbra Streisand ''Woman in Love''
60年代から、歌手と女優の両方で巨大な成功を収めた女性エンターテイナー、バーブラ・ストライサンドです。
アメリカの4大アワード、エミー賞、グラミー賞、アカデミー(オスカー)賞、トニー賞を受賞したEGOTの数少ない1人です。
1980年には、ビー・ジーズのバリー・ギブと共演したアルバム「Guilty」を発表。
この曲は、そのアルバムの収録曲で、ビー・ジーズのバリーとロビン・ギブが作詞・作曲した名曲です。
全米で3週連続1位を記録するなど、世界12カ国で1位を記録する大ヒットになりました。
歌詞では、失恋後も、ずっと貴方を永遠に思い続ける女性が描かれています。
Bette Midler ''The Rose''
バーブラに続いて、やはり歌手と女優の両方で成功を収めたアーティスト、ベット・ミドラーです。
アメリカの4大アワードのうち、グラミー賞、トニー賞、エミー賞の受賞経験があります。
そんな彼女の代表作と言えば、1979年に公開された主演映画「ローズ」です。
酒と大麻に溺れ、27歳の若さで死去した悲劇の女性歌手、ジャニス・ジョプリンをモデルに、
波乱万丈な人生を歩む主人公「ローズ」を、ベット・ミドラーが熱演しました。
ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞し、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされました。
この曲は、その主題歌です。全米3位を記録し、グラミー賞を受賞しました。
今までに数多くのアーティストがカバーし、日本人歌手も数多くカバーしています。
2015年には、TBSドラマ「アルジャーノンに花束を」の主題歌にも選ばれています。