1981年の洋楽 名曲50選!

The Rolling Stones ''Start Me Up''

1962年結成、結成60年、未だ現役で活動中のイギリスが誇る伝説的ロック・バンド、ザ・ローリング・ストーンズです。

この曲はライヴでは必ずと言っていいほど演奏される、バンドを代表する名曲の1つです。全米2位、全英7位の大ヒットとなりました。

この曲が収録された1981年のアルバム「Tattoo You」は、主に70年代に作られた未発表曲を蔵出しして発表されたアルバムでした。

この曲は、1976年に特徴的なリフが考案され、1978年のアルバム「Some Girls」のセッションでレコーディングされた曲です。

元々は「Never Stop」という曲名でしたが、お蔵入りに。しかし、その3年後に「Tattoo You」のために再び取り上げられた経緯があります。

元々、お蔵入りにした曲が、ここまで大ヒットとなり、自身の代表曲になるとは、メンバー本人も予想だにしていなかったと思います。

ビデオでは、ミック・ジャガー(vo)、ギターのキース・リチャーズ(g)とロン・ウッド(g)が派手なアクションで目立ちたがり、

チャーリー・ワッツ(dr)とビル・ワイマン(b)が地味に演奏に徹するという、バンドのキャラクター性が如実に表れていて興味深いです。

Rod Stewart ''Young Turks''

60年代から第一線で活躍し、サーの称号を持つイギリスを代表する国民的歌手、ロッド・スチュワートの名曲。

当時最先端で流行していたシンセポップやニュー・ウェイヴの影響を受けた超アップテンポなナンバーです。

この曲の邦題は「燃えろ青春」でしたが、「人生なんて一度きり、若いハートを解放して、思う存分に楽しめ」と、

現在も現役で活躍中のロッドが常に大事にしている精神が歌われているようです。

Queen & David Bowie ''Under Pressure''

クイーンとデヴィッド・ボウイという、豪華な合作が話題となった名曲で、spotifyでは14億回も再生されている人気曲です。

「誰しも重圧がのしかかり、路頭に迷っている。愛なんて古臭い言葉かもしれないけど、愛は自分達の生き方を変えてくれるし、相手を思いやる力を持っている。」と、社会の波に押し込まれて苦しむ人達に向けて愛することの大切さを劇的に歌っています。

シリアスな曲調から、次第に盛り上がりを見せていく曲展開はスリリングですし、ジョン・ディーコンの弾くベース・ラインが印象に残ります。

このベース・ラインは1990年にヴァニラ・アイスが「Ice Ice Baby」でサンプリングしたことで、再び脚光を浴びる形となりました。

Phil Collins ''In the Air Tonight''

70年代以降、プログレッシヴ・ロックバンド、ジェネシスでドラムス&ヴォーカルを務めているフィル・コリンズ。

この年にソロ活動を開始し、黄金期の幕開けを飾りました。

リズム・マシン「ローランドCR-78」による不穏なリズム音に、孤独感を感じるシンセサイザーの音色、

内省的なサウンドに反してドラムやギターのサウンドはパワフルで、今聞いても斬新に聞こえるバラードです。

フィル・コリンズは、当時の妻と離婚しており、失意の中でこの曲が書かれたそうです。

歌詞では、元妻に対する怒りが込められていて、サウンドにも反映されていると感じます。

全英2位、全米19位を記録するヒット曲となり、アルバムも大ヒット。これを皮切りに、フィルはソロ活動に舵を切ります。

Bruce Springsteen ''The River''

アメリカを象徴するロック歌手で、「ボス」の愛称で知られるブルース・スプリングスティーンです。

この曲は、若い内から親父の跡を継ぐよう育てられた主人公と、ハイスクールの時に出会ったメアリーとの物語です。

メアリーは妊娠し、彼女が19歳の時に共に結婚しますが、ドレスも花束もなく笑顔もない結婚式。

自分は職に就くも不景気で仕事は減少、生活は苦しく自分もメアリーも気にしない振りをするしかありません。

しかし、二人で川までドライブし、川の中に飛び込んだ、楽しい記憶は常に蘇ってくる、と歌われます。

「川はもう干上がっているのは分かっているけど、今夜も俺を川へと向かわせる」という一説に更なる寂しさを覚えます。

とても寂しい1曲ですが、ワイルドなハーモニカの音色と、ボスの勇ましく入魂込めた歌声に、涙腺が緩んできます。

John Lennon ''Woman''

1980年12月8日、ニューヨークの自宅前でファンと自称する男に銃で撃たれ、悲劇的な死を遂げたジョン・レノン。

5年間に渡る育児休暇に区切りをつけ、アルバム「ダブル・ファンタジー」を完成させ、音楽活動を再開したばかりでした。

この曲はジョンの死後にシングルカットされ、全英1位、全米2位を記録する大ヒットとなった名曲です。

この曲では、妻オノ・ヨーコに対し、「本当の意味の成功は妻である貴方に出会ったこと」と歌っています。

また、全女性に対しても大きな賛辞を送っていて、「大空の半分を支えているのは女性である」と表現しています。

70年代のジョン・レノンは、女性の権利を尊重すべきという、女性解放を訴える政治活動を行っていましたが、

どの曲にせよ、綺麗なメロディで綴られる美しいメッセージ性が本当に傑出していると感じます。


いよいよ、残すところあと数曲となりました。

ここからは81年に大ヒットを記録した極上のバラードを3曲紹介していきます。

胸にしみる美しいメロディにご堪能ください。

Air Supply ''The One That You Love''

オーストラリア出身のAORユニット、エア・サプライです。80年代前半にバラードを中心にヒットを重ねました。

この曲で遂に全米1位を記録する快挙を達成、ハイトーンボイスによる爽やかで優美なメロディがとても心地よいラヴ・バラードです。

この清涼感のある美しいサウンドを、日本では「ペパーミント・サウンド」と呼称されました。

この曲の邦題が日本独自で名づけられた「シーサイド・ラヴ」だったり、アルバムのジャケットも日本独自のものだったりと、

日本独自で販売戦略があったことから、日本国内での注目度も高かったことが伺い知れますね。

Sheena Easton ''For Your Eyes Only''

80年代に最も成功したイギリス人女性歌手の1人、シーナ・イーストンによる名バラードです。

1981年公開の007シリーズ第12作目、「ユア・アイズ・オンリー」の主題歌を歌いました。

映画のオープニング・クレジットでこの主題歌が流れ、シーナ・イーストン自身も歌う姿で登場します。

全英8位、全米4位を記録するヒットとなり、アメリカでの成功を確固たるものにしました。

アカデミー賞とゴールデングローヴ賞の最優秀歌曲賞にノミネートされています。

Christopher Cross ''Arthur’s Theme (Best That You Can Do)''

透明感のある優しいハイトーン・ボイスが魅力的な、テキサス出身の歌手、クリストファー・クロスです。

デビュー直後のグラミー賞で、最優秀レコード賞、アルバム賞、楽曲賞、新人賞の4大主要部門を全て受賞したすごい実績の持ち主です。

ダドリー・ムーアやライザ・ミネリが出演した1981年の映画「ミスター・アーサー」の主題歌です。

ニューヨークを舞台に、金持ちの放蕩息子と貧しい女優志願の街娘との恋を描いたコメディ映画でした。

夜の都会を思わせる洗練されたサウンドと澄みきった美しいハイトーン・ボイスにうっとりする名曲です。

作詞・作曲にはシンガーソングライター界の至高、バート・バカラックが携わっています。

アカデミー賞最優秀歌曲賞で「007ユア・アイズ・オンリー」や「エンドレス・ラヴ」もノミネートされ、強者が揃う中、見事受賞を果たしています。

Diana Ross & Lionel Richie ''Endless Love''

モータウン所属のトップスター、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーの豪華デュエットによる、至高の名バラードです。

全米で9週連続1位を記録し、年間チャートでは2位を記録する大ヒットを記録!史上最高のデュエット・ソングとも呼ばれています。

永遠の愛を誓いあう歌詞も素敵で、結婚式の定番ソングとしても頻繁に使用されていますよね。

ブルック・シールズ主演映画「エンドレス・ラヴ」の主題歌で、アカデミー賞最優秀歌曲賞にノミネートされています。

作詞作曲・プロデュースもライオネル・リッチーが務めていますが、前年にはケニー・ロジャースの名バラード「Lady」もヒットさせており、

彼のソングライティング能力の高さは、80年代にヒット曲を量産し続けたソロ歌手としての活躍にも繋がっていきます。

大御所ダイアナ・ロスも「歌姫」としての威厳を感じさせる、素晴らしい歌声を披露しています。

1994年にはマライア・キャリーとルーサー・ヴァンドロスによるデュエットでカバーされ、全米2位を記録。

そちらも原曲に勝るとも劣らない名唱を堪能できます。


〇1981年に死去したミュージシャン

・2月9日、ビル・ヘイリー(R&Rの伝説的な歌手、代表曲は「Rock Around the Clock」、55歳で死去)

・2月15日、マイク・ブルームフィールド(アメリカのブルース・ギタリスト、37歳で死去)

・5月11日、ボブ・マーリー(レゲエの先駆者、音楽界で最も影響力の強いミュージシャンの1人、脳腫瘍のため36歳で死去)

〇1981年に生まれたミュージシャン

・1月15日、ピットプル(ラッパー、MC)

・1月25日、アリシア・キーズ(R&B歌手、ピアニスト)

・1月31日、ジャスティン・ティンバーレイク(イン・シンクの元メンバー、ポップ歌手)

・2月11日、ケリー・ローランド(デスティニーズ・チャイルドのメンバー)

・5月1日、クレイグ・デイヴィッド(イギリスのR&B歌手)

・6月21日、ブランドン・フラワーズ(ロックバンド、ザ・キラーズのヴォーカリスト)

・9月4日、ビヨンセ(デスティニーズ・チャイルドのメンバー、R&B歌手)

・9月12日、ジェニファー・ハドソン(R&B歌手)

・12月2日、ブリトニー・スピアーズ(ポップ歌手)

・12月13日、エイミー・リー(ロックバンド、エヴァネッセンスのヴォーカリスト)

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